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まだ緑色のドングリを
枝ごと切り落として散らかすのはだれ?

2001年8月26日(日) 晴

浅間山のんびり散策レポート23


脱け殻

 午後3時35分、気温は30℃。午前中に強い雨が降ったせいか晴れてはいますが湿気の多い日です。
 子ども達の夏休み中は土、日に東京を留守にしていることも多く、約1か月ぶりの浅間山です。
ヌスビトハギ ヌスビトハギの実
ヌスビトハギ
(盗人萩)
この実の形が
盗人の忍び足の足跡?

 いつもの“緑のゲート”から入ります。ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシ、きょうもセミの大合唱です。オオマツヨイグサの花はそろそろおしまい。あっ、シオカラトンボが飛んでいます。

 浅間山自然保護会のみなさんが名づけた「富士見坂」を登ります。
 ヌスビトハギの小さな花がたくさん咲いています。よく見ると、もう花が終り、あのユニークな形の実をつけているものもあります。

 あずまやのあたり。クヌギやコナラのまだ若い青いドングリが葉っぱも4〜5枚ついたまま枝ごと地面に落ちています。けっこうたくさん散らばっていますし、いま落ちてきたものもあります。
枝先 ドングリ
落ちている枝
先の鋭利な切
り口の謎…
落ちているド
ングリには謎
の穴が…
 先日の台風のせいかしら? けさの雨のせいかしら? と不思議でしたが、中学2年の長女が枝についている緑のドングリに必ず小さな穴があけてあることに気づき、ゾウムシが卵を産みつけたのかな? と想像してみました。いっぽう夫は枝の切り口がとても気になっていました。
 夜、家で本を調べてみるとオトシブミのなかまのハイイロチョッキリのしわざだとわかりました。

 いつもチョウと出会う日当たりのいい草はらです。
 キンミズヒキ、ダイコンソウ、キツネノマゴ――いずれも花のあとは人や動物にくっつく種をつける植物が入り混じって咲いている場所と北アメリカ原産のブタクサが大繁殖している一画があります。
イチモンジセセリ
センニンソウにとまる
イチモンジセセリ

 デジタルカメラで写真をとっている夫の肩に黒っぽいチョウが止まりました。ルリタテハです。すぐ飛んでいってしまいましたが、パートナーを見つけたのか2匹で高く舞い上がりぐるぐる回っています。ほかにも数匹、ルリタテハが飛んでいて、一瞬、まさに乱舞という感じでした。
 黒っぽい翅に青いラインのルリタテハを見たのは実は初めてですが、浅間山にはルリタテハの幼虫の食草、サルトリイバラがたくさんありますし、成虫はクヌギの樹液を吸うそうですのでいつか絶対に出会えると思っていました。

 クワやコウゾの木のある小道。
 ところどころに咲いているあざやかな赤紫色はアザミです。
 5月に黄色い花粉と素敵な香りで虫たちを集めていたノイバラには青い実がついています。ガマズミの木にもびっしりと青い実が…。
ゴンズイ
ゴンズイの実
 オオジョロウグモが大活躍中。あちこちで見かけます。これからもまだ何度か脱皮をして秋の終わりには堂々とした美しい姿になるでしょう。

 “おみたらし”の前を通って“表ステージ”へ。
 ヒヨドリバナの白い花のあとは薄茶色の綿毛になっていました。
 ここは絶えず花の咲いている場所なので期待しながら歩いていくと、センニンソウが咲いていました。
 つる性で、十字形のがくとパッと広がったおしべが目立つ白い花がたくさんかたまって咲いています。
 ゴンズイの木には重そうなくらい赤い実がたくさん垂れ下がっています。

 さて、カナカナカナとヒグラシの声が聞こえてきました。きょうの夕方一番のヒグラシさんは4時35分。
 もう私たちも帰りましょう。


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